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北村匠海 『恋と嘘』単独インタビュー(後編)、「自分を出せる場所は音楽で、自分の個性がないところから創り上げていくのがお芝居」

Billboard Japan

 大人気コミック『恋と嘘』のアナザーストーリーとして実写化された映画『恋と嘘』が2017年10月14日より全国公開される。遠くない未来を舞台に、森川葵演じる葵と、葵に思いを寄せる“最高”の幼なじみ司馬優翔、そして政府が選んだ葵の“最良”のパートナー高千穂蒼佑の3人の恋と嘘が切なく絡み合う、感動ラブストーリーだ。

 Billboard JAPANでは、葵の良き理解者で葵の幸せを誰よりも願う“最高”の幼なじみ・司馬を演じた北村匠海のインタビューを前編、後編に分けてお届け。後編では、音楽と俳優の両立や今後の目標について語ってもらった。

――憧れの俳優に小栗旬さんを挙げられていることが多いですが、同世代の俳優で共演してみたい、もしくは演技をぶつけ合いたいという俳優さんはいますか?
北村:『仰げば尊し』で同世代の皆さん共演させて頂きました。(高杉)真宙君も僕の1コ上ですけど、オーディションで少し話したことはあります。(新田)真剣佑とは『OVER DRIVE』で再共演するし、(村上)虹郎とはこれまで3回共演していて、「あと2回共演したらライブしようぜ」って話してるんです(笑)。

――虹郎さんってギターを弾くんでしたっけ?
北村:そうです、歌もうたいます。2人とも好きな音楽が似ていて、オアシスとかザ・ビートルズとかと邦楽の両方聴きますが、世界的に評価されている洋楽の往年バンドの音楽は耳にしておこうって思っています。音楽に関する虹郎の知識量や彼の演技には、いつも刺激を受けています。

――この映画の中でお好きなシーンはどこでしょうか?
北村:自分がキュンキュンする映画に出演するということで、「どんな感じなんだろう?」って思いながら作品を観たんですが、客観的に観てもキュンキュンしたし、どこか心が温かくなるのを感じました。葵ちゃんとの演技も大切に演じましたが、その中でも、たまに出てくる寛太くんとの掛け合いのシーンが楽しかったです。

――温水洋一さん演じられるクレープ屋さんのシーンも良かったです。
北村:ポップですよね。温水さんが出てくるだけでポップさが増した気がします。この作品の中で共演した俳優さんが少ないんです。徳井(義実)さんと同じシーンはなくて、先日バラエティで一緒になった時にこの映画の話で、「出演されてましたよね」って話したんです。葵ちゃんは高千穂と司馬の撮影が両方あったから、大変だったんだろうなって思っています。すごいのが、司馬と葵のシーンを一気に撮って、その後、高千穂と葵だけのシーンを撮り、その後また司馬と葵の撮影というスケジュールで、入れ替わり立ち代わり、横にいる男子が変わるんです。

――ちなみに、森川さんは高千穂と司馬、どちらがタイプとおっしゃっていましたか?
北村:両方ともいいって大人な答えをしてましたね(笑)。

――本作には、DISH//メンバーの矢部昌暉さんが友情出演&映画初出演されていますが、現場の様子はいかがでしたか?
北村:昌暉は緊張してましたが、特に声もかけず、逆に現場では程よい距離感でいました。僕が何か言うのも違うなって。一役者として頑張れっていう気持ちで見てましたね。すごく緊張して見えたんですけど、きちんと芝居をするぞっていう覚悟が見えました。

――今年は『君の膵臓をたべたい』や『恋と嘘』が公開、そして12月には『勝手にふるえてろ』が控えており、さらにDISH//として人気を博していますが、音楽と俳優のお仕事の両立は忙しくて大変じゃないですか?
北村:両立はどれも難しいと思います。自分でも学業と芸能活動の両立、俳優と歌手の2つの活動をして、両方頑張ろうという気持ちは強いです。音楽と芝居は感覚が違うので、心の中では、バランスが上手く取れていると思っています。自分を出せる場所は音楽で、自分の個性がないところから創り上げていくのがお芝居なので。忙しい時期はありますけど、今は忙しくていいんだって思ってます。

――ここ最近北村さんのファンになった方もいれば、昔からDISH//を応援してきたファンもいるかと思いますが、ご自身の人気を感じた瞬間はありましたか?
北村:人気を感じるという瞬間という感覚が、正直あまりわからないのですが、電車の中で気付かれた瞬間ですかね。こういう時に、応援してくれてる方がいるんだと改めてしみじみ感じるとともに、「人気者になりたい」よりも「やっていきたい」っていう気持ちが大きくて、自分がどうなっていくのか全然予想出来ないですが、これからも楽しく仕事ができたらいいなって思いますね。

――今年の11月3日で20歳になりますが、ハタチになってやりたいことはありますか?
北村:大人の方達と食事に行くことが多いので、お酒を飲みたいです。大きく何か変わるというわけでもないですが、大人への第一歩ということで、意識は変えていきたいです。

――今後どんな作品に出てみたいですか?
北村:自分の中で、「これがやりたい」って決めていないんです。この役柄は僕がふさわしいと思ってオファーしてくださるのであれば、何でもやりたいです。音楽活動との兼ね合いもありますが、やれるものは色々やりたいですね。

――では、最後に『恋と嘘』の見どころをお聞かせください。
北村:自分の心に踏ん切りをつけて前に歩き出していく3人が織りなすラブストーリーになっています。恋愛に奥手な人もこの映画を観た後に、恋愛に対してどこか少し前向きに向き合えるような、奥手じゃない人はさらに自分に自信が付くような、そんな恋愛を応援できる作品になっています。ぜひ、大切な人と一緒に観てください。

Text: Mariko Ikitake
Photos: Yuma Totsuka

◎作品情報
『恋と嘘』
2017年10月14日(土)より、全国ロードショー
監督:古澤健
出演:森川葵、北村匠海、佐藤寛太、徳井義実ほか
配給:ショウゲート
(C)2017「恋と嘘」製作委員会 (C)ムサヲ/講談社

ふるさと映画祭

2023年12月8日(金)~12月10(日)

秋葉原UDXシアター/富士ソフトアキバシアター