デジタルリマスター版で公開される
「メッセージ」「DUNE/デューン 砂の惑星」で知られるヴィルヌーヴが2010年に発表し、第83回アカデミー賞で外国語映画賞にノミネートされた本作。母親の謎めいた遺言をきっかけに、双子の姉弟であるジャンヌとシモンが母の祖国を初めて訪れる物語だ。2人は中東系カナダ人女性として生きた母親ナワル・マルワンが歩んだ暴力と憎悪に覆われた人生を徐々に知っていく。
予告には「父親は生きている」「君には兄がいる」というまったく知らなかった事実を母親の遺言で知る姉妹の姿を収録。現在と過去を交錯させながら、若き日のナワルがたどった悲劇と家族の宿命に直面する姉弟の姿が切り取られている。
2011年の公開時、本作を「ジャンヌとシモンが母親の憎しみの根源へと至る旅」と語っていたというヴィルヌーヴ。「2人は憎しみと暴力にあふれた家族の歴史を再構成し、永遠に残る傷を負うことになります。これはとても普遍的なテーマで深く心を動かされました。しかし、脚本の中のドラマティックな要素のバランスを取るのにずいぶん長く時間がかかってしまいました。何しろ1つひとつのシークエンスがそれぞれ1本の映画の素材になりえるほどですから」とコメントを残している。
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